ロンドンコレ初日のハイライト 「キコ コスタディノフ」「ファッション イースト」など

2020年春夏ロンドン・ファッション・ウイークは9月13日に開幕。初日から20以上のブランドがランウエイショーやプレゼンテーションを発表した。厳選して4ブランドをレポート。

ディアナ・ファニングとローラ・ファニングの双子の姉妹が手掛ける3シーズン目のウィメンズ・コレクション。切り替えパネルのパターンテクニックを得意とする2人は、古代ギリシャの衣服の有機的なドレープを研究し、現在女性に向けた力強い日常着へと提案する。今季は、“渦巻き”のオンパレード。英国人アーティストのロージー・グレイス・ワード(Rosie Grace Ward)による鉄彫刻から着想を得たトライバル柄をはじめとする渦巻きは、メタルネックレスやトップスの装飾として用いて、キャッチーなアンモナイト形のバッグもお目見え。その“渦巻き”への執着は、「アシックス(ASICS)」とのコラボレーションウエアとシューズにも現れた。これまでも「キコ コスタディノフ」が扱ってきた巨大な「アシックス」のブランドマーク”スパイラル”を大胆にのせたスニーカーや、ジャージーのポロシャツ、アウターが登場。「カンペール(CAMPER)」とのコラボでは、グラゲのような柔らかいシェイプをかたどったトングが特徴的なヒールサンダルも発表した。依然、独創的なシルエットとボールドな色使いからコンセプチュアルなコレクションではあるが、過去2シーズンよりも軽いカットソーや、スポーティーなパンツなどが増えリアルに一歩近づいた印象だ。

若手ブランドの合同ショープログラム「ファッション イースト」は、「ナイキ(NIKE)」のサポートの下、「アンクタ サルカ(ANCUTA SARCA)」「ガレス ライトン(GARETH WRIGHTON)」「ユハン ワン(YUHAN WANG)」の3ブランドが新作を披露した。会場は「ナイキラボ(NIKELAB)」店舗の跡地。アップサイクルのシューズブランドの「アンクタ サルカ」は、「ナイキ」のユーズドスニーカーをポインテッドトーのローヒールミュールに作り変えた。ランニングシューズの“エア マックス(AIR MAX)”シリーズから“ナイキフリー 5.0”、“トライアックス(TRIAX)”などのビンテージの風合いを生かしたデザインで、それぞれの異なる味が楽しめるアイテムだ。

中国出身でセント・マーチン美術大学を卒業したユハンによる「ユハン ワン」は、「シモーネ ロシャ(SIMONE ROCHA)」や「モリー ゴダード(MOLLY GODDARD)」に次ぐロンドンの“ガーリー枠”で新たな注目ブランドだ。サテンやシフォンで優美なドレープを作り出すギャザーテクニックが持ち味。今季もドレープを生かした花柄のプリントドレスやレース生地のジャケットやスカートなどなどを披露。

「ガレス ライトン」は日本文化から着想を得た。“チェリー”をキーワードに、潰れたさくらんぼをプリントしたトップスやチェリーブロッサム(桜)の枝を大胆に使ったTシャツドレスなどが登場。ブランドが得意にするニットウエアでは、セーラー服をニットに変えてみせた。